紐掛けのテクニック

物を持たない私の最初の引っ越しは18歳の時、布団一式と普段着数組、日用品など、2人でトラックと玄関を3往復もすれば積込みが完了してしまう量でした。
それから25年、引っ越しは10回以上になり、家族構成の変化によって最近は、4トントラック1台分の荷物です。
引き出しの中身を出さなくても運んでくださるようになり、引っ越し業者さんの進化には目を見張るばかりです。
便利になりましたが、結婚当初、引っ越しでお世話になった方々の技術は今でも忘れられません。
当時はへき地に住んでいて、引っ越し業者さんのネットワークがありませんでした。
トラックは来るけれど、付いてくださるのはドライバー1名のみ。
自分たちで積込みをしなければなりませんでした。
どうにかなるだろうと思い、ピカピカの大きな嫁入り家具も夫婦で巻段ボールに包み、ナイロン紐を掛けて待機していました。
積込み前日、夫の職場の方々やご近所の方が様子を見に来てくださいました。
〈主任さん〉と呼ばれるその方は「あーダメだ、スズランじゃあ」と言って、私たちが家具に掛けた紐を、持ってきていたカッターナイフでピンピン断っていきました。
そして同行の方に「ロープ買ってきて、太いのと細いの」と指示しました。
待っている間主任さんは、一つ一つの家具の重さを確かめながら、「スズランはほら、ちょっと引っ張ればこの重さなら切れちゃうよ。せっかくの嫁入り道具も二束三文だ。運ぶ人も危ないしね」と説明してくださいました。
漬物石のように大きくて重いPPロープが到着すると、主任さんは私たちに手技を説明しながら手際よく紐掛けを進めていきました。
確かに、井の字に固められた家具も安心しているように見えました。
それから、引っ越しの度、あるいは古紙を束ねる度に主任さんの教えを思い出し、運ぶ人の立場を考えてしっかり紐掛けします。
それがお世話になった方々への恩返しと考えています。

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2015年10月 2日

dunesu (10:27)

カテゴリ:引越しの日記

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